めまい「めまいで医療を受けているのだが治らない、辛いのでどうにかしてほしい」とめまいで当院にいらっしゃる方はとても多いです。鍼灸がよく効く症状のひとつではないかと思っています。立ち眩みするひと、目の前が横に流れるというひと、また難聴気味となったり、耳鳴りがあり、メニエール病かもしれないといわれたひとなどいろいろです。西洋医学での諸検査で重大な疾患との鑑別もすでにされ、以後イソバイドなどの薬物治療もしているのだがおもわしくないのでどうしたらよいかと困っているかたがおおいようです。めまいはほんとうにまた起こるのが恐ろしいと皆さん話されます。 そんななか、何年、また何十年来と悩まされ続けためまいが鍼灸でとても楽になりたいへん感謝されることがたびたびあります。最近も数例続いてあり施術者としてとても嬉しいことです。 ![]() 多い症状として @頭を動かしたり寝起きしたりするとぐらぐら目がまうひと。また寝返りも辛かったりするようです。Aめまいはひどい方ではないがじっと寝ていてもめまい感がある、まうときはフワーとした感じと吐き気がして、お天気が悪いとよくないひと。B朝起きるときや立ったときにめまいするひと。C船に乗っているような浮揚感やゆらゆら感のほうが強いひと。などがあるようです。@のひとには主に肝の臓と胆の腑の働きのバランスをとることをおこないます。このタイプが一番多いようです。精神的ストレスなども大いに関係していたりします。Aはおからだの水はけをよくするような鍼灸をすることになります。胃腸の不調などがあるものがおおいようです。Bは基本的に血(けつと読む:普通言うところの血に近い概念ですからここでは貧血とみてよいでしょう)の不足のひとが多いようですので血がつくられるようにします。C高齢のかたに多いようです。おからだに潤いを増してあげ気の上昇を抑えるような鍼灸をします。 実際にはこれらが複雑にからみあってなかなか難しいのですが、西洋医学での薬物治療で一時的によくなったものでも実のところはめまいを起こすおからだの「土壌」は依然同じであるということに注意しなければならないとおもいます。 目がまわってから慌てふためくのでなく、症状をとるのも大事ですが、普段からその「土壌」をしっかりさせて病をうけつけにくくするという発想はこの東洋医学的 鍼灸、湯液などのすばらしいところではないかとおもいます。 めまいでお困りの患者さんと出会うたびもっとこの伝統鍼灸術のことを広く知っていただけたら良いのにといつもおもうものです。 |