治療方針

 治療方針について

捻鍼術当院では、患者さんのおからだを東洋医学理論に基づいて観察し施術方針をさだめております。一時的に痛みを押さえ込んでその体力までも徐々に虚損させてしまうような対症療法的なやりかたではなく、鍼灸術本来の良さである患者さんの生命力、治癒力を高め病をとり除こうとすることを目的としています。具体的には四診(望診、聞診、問診、切診)により肌の色つやをうかがったり、声の調子を聞きわけたり睡眠、食欲、ニ便などを問い、腹診、そして最も大事な脈診では両の手の脈を診て經絡と五臓六腑の気と血の動向を明らかにし施術をすすめてまいります。病から開放されるだけでなく常日頃の病気予防と健康保持のために鍼灸術を定期的にお受けになることをお勧めいたします。

 使われる鍼のこと

使い捨て鍼【すべて使い捨て鍼です】

接触鍼当院で普通に用いられる鍼灸鍼は普通0,1ミリ強ほどです。注射針や中国鍼などに比べてもたいへん細いものです。現在はステンレス鍼を用いることが一般的ですが、気をあつかう古典鍼灸術では銀製や金製の鍼も多用されます。鍼については古典鍼灸術では微妙な鍼捌きが必要なため昔ながらの手作り鍼のほうが断然良いのですが現在は衛生管理面で手間がかかるため特殊な場合以外は図にあるような使い捨て鍼(ディスポ鍼)を使用しています。勿体ない話ですが当院で常用する銀鍼もすべて使い捨てとなります。


鍼の種類【てい鍼、ざん鍼、ごう鍼】

古典的鍼灸術に使われる鍼にはいろいろな種類があります。術者がいろいろと長い臨床経験のなかから工夫創造されたものなのでしょう。図中程の「てい鍼」は先を軽くつぼにあてて気を補う時によくつかいます。左の2本は「ざん鍼」と呼びます。皮膚を擦ったり軽く叩いたりして気や熱を散らすときなどに用います。右側3本の細い「ごう鍼」以外は刺すことはありません。



刺さない鍼【刺さない鍼もある】

鍼灸術をご存じない方は鍼といえば深く刺されるイメージがあると思いますが「気」を扱う伝統的鍼灸術では図にあるようにまったく刺さない鍼(接近鍼や接触鍼)で効果を出すこともおこなわれます。1ミリ程度の刺入鍼(刺入鍼)も常用しますが、古い病で血が滞っている時などはこれを解消するために太めの鍼を使いやや深く刺入することもあります。(※当院の施術方針としてはリスクの高くなる深刺しはできるだけ避けるようにいたしております)


 お灸のこと


灸は身を焼くことにあらず心の奥に灯をともすものなり(離病道人) 鍼灸読本 代田文誌著ー春陽堂より参照ー



灸の種類【灸の種類】

まず知熱灸(左)ですが大きな艾(もぐさ)で驚かれるかも知れません。暖かくなったり、あつくなったら取り去りますので灸痕はつきません。熱を冷ましたり、温めたりどちらにも使います。次に透熱灸(中)は普通お灸として呼ばれるものです。良質の艾を使い施灸方法にもコツがありますのでさほどあつくないものです。慣れてくると気持ちがよいものです。しばらく灸痕が残りますがほどなく消えてしまいます。当院では八割方燃えたところで取り去る方法がよくつかわれます。こうするとさほど熱くなく灸痕が残ることもありません。若いかたにも抵抗なくできます。右の細い艾は糸状灸で凧糸ほどの細い艾です。一瞬で消えますので小さな子供さんにも使えます。



各種温灸【各種温灸】  

図は各種の温灸です。ポカポカと気持ちよく慢性症のかたの自宅治療にも手軽に使えて良いでしょう。 ※お灸はその用具が簡便なため自己流の施灸をされているかたがありますが実際には施灸法の細かな「きまり」があります。 せっかくすえるのですから正しく気持ちよくすえたいものです。自宅施灸希望されるかたは治療室でいっしょに一度施灸してみませんか。


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