書庫 2018年

 美顔ローラーの上手な使い方 伝授?

まったく私に関係ない物の話ではありますが案外これは知っておいたほうが女性の皆さんお得かもしれないと思いちょっとだけ。いらぬおせっかいになりますが...。

「肌がぱっと明るくなるのが合図、そして美顔鍼のこと」のページで鍼灸施術を上手にしますとお肌がパッと明るくなり艶と張りが出るということを書きました。施術で調子よくなりますとお顔の輪郭や目の周りなどシャープになりもやもやした不快な「濁気」も晴れてきます。何より傍にいても気持ちがよいことになります。長年この仕事をしていますとほんとうにこの感覚がよくわかるようになってくるものです。

伝統的鍼灸術ではいろいろな鍼(といっても刺さない鍼や撫でる鍼も使います)を使い施術することになるのですが、あの女性が使う美顔ローラーも鍼とおなじように使い方にコツがあるのではないでしょうか?リフトアップをしたい場合は、下から上へとかリンパの流れを良くするために方向をどうするかとか、やり過ぎてはいけないとか、かなり良心的丁寧に説明してある商品もおおいようです。

-無料イラストのIMTさんを使用-美顔ローラー

さて本題ですが、よ~く観察していればこの肌があるとき急に明るく艶と張りが出るのを観察できるかもしれません。そして強くしてはいけないのです。本当に心地良い当たりですからかなり軽いことが多いでしょう。どうしても皆さん美しくなりたいと強く多めにやってしまうことがありがちなのでは?肌が疲れるほどやってはいけないのです。そしていちどその艶が出た状態がみられたらその後いくら続けてももっと良くなることはないのです。引き際が難しい、むしろ続けますとお肌が疲れ艶もなくなってしまいます。鍼でもこれが本当に難しいのです。短い時間でパッと明るくがよいのです。材質もいろいろ、高価なものもあるようですがそれよりも刺激をいかにうまくお肌に与えるかです。またお肌の状態も各人みな違いますのでその刺激量もおおきく違ってくるものです。これも難しいのですがとりあえずよ~く観察してみてください。

図は顔の経絡の流れ

顔の経絡図 参考までに、お肌は「衛気」と「栄気」という気の層があり伝統的鍼灸術では鍼をするときこの部分の「気」を乱したりやぶったりしないように強く戒められています。やたら顔にたくさん鍼を刺してはちょっと心配してしまうのです。あくまでも全身の調子がよくなることが大切!

真に健康な人は肌が明るく
声は澄んで
その目もキラキラ輝いているものです。
そして傍にいても気持ち良いものです。

 最近のてい鍼による症例から【その1】腰痛

中年男性、腰椎のヘルニアで数回手術を受けるもますます状態が悪化。あちこちと治療を受けるもいっこうに良くならない。動作時だけでなく安静時にも腰が痛くだる重い。脈は沈細。腰回り、下肢にいつも発汗あり冷たい。食も少ない。

そこで本冶法と補的小灸、ごう鍼の接触鍼にて腰下肢の補法をおこなうも脈が十分にでない。そこで金のてい鍼を使い発汗部に接触補法を行うと発汗も止まり腰痛もとても楽であるとのこと。

ときどき証がかわるもほぼてい鍼のみの施術で現在仕事に出られている。 このような患者さんはドーゼ過多は厳禁でありてい鍼治療が適応する一例と思います。

 耳鳴りと難聴

いろいろな耳鳴り 普段から疲れると耳鳴りがするのだがこのところだんだんに大きく鳴り出して聞こえも悪く不快なので医療を受けたがよくならないと来院されるかたがあります。結構若いひとにもあるようです。耳鳴りには「ボーッ」という大きな音や蝉のような音、大きさが変化するもの、しないもの、色々あります。このうちでどうも蝉の音のようでずっと小さくなり続けるものは改善しにくい気がします。多くは年配のかたにみられるようです。いっぽうおおきな音でうるさいもの、音が変化するものはこれは鍼灸施術がかなり効果的です。

鍼灸医学では耳は五臓の内「腎」とかかわりが深いとされ先に書いた蝉音が続き難聴がちの人には「腎」を、、耳に手で蓋をするとやや楽になるようなものには「脾(消化機能的なもの)」もいっしょに強化する経穴(つぼ)に鍼やお灸を長くすえることなどが良いのですがなかなか根気のいることになります。

反面大きな音がする耳鳴りは病が浅い部分にあるため施術してやりますと即変化がおこるものです。体質的に感情が高ぶりやすい人で、イライラし頭が張った感じがあり、顔が赤かったり眼が血走っていたり、耳の中が痒かったりする人もいます。また耳閉感が伴うこともあります。このようなものは症状が派手なためその効果もはっきり出ますのでとても喜ばれることが多いです。このタイプの耳鳴りでもよって来る原因を改善しないまま放置しているとやがて難聴になる可能性があり早めに対処したほうがよいと思います。耳の病に鍼灸はとてもよく効くしその原因から手を打つことができるのです。「めまい」のページもご覧ください。

 花粉症(アレルギー性鼻炎)

スギ花粉毎年春先になるとテレビで花粉の飛散状況が天気予報といっしょに報告されるほどこの症状で困っている人が多いようです。むかしはあまり聞かなかったものなのですが、食生活の変化や各種のストレス、はたまた車中心の生活環境、大気の汚染など等がその原因とされたりします。

西洋医学ではとりあえず症状の軽減を目的にマスク、メガネ、窓を開けないなどの対策に加え、抗アレルギー剤やステロイド剤が処方されるのが一般的のようです。たしかによく効くようなのですがあくまでもその場だけの対症療法であり、眠気や口、目の乾燥感、それに場合によっては重篤な副作用もあるようです。

花粉が飛んで花粉症になるひと!杉の木 ソザイングさんより花粉が飛んでも花粉症にならないひと!こんな単純なことはだれでもわかること。それなのにそのことに言及しない。しても先にすすめ難いのが現代の医学常識かも知れません。

(金匱眞言論篇 第四)

金匱眞言論篇春の時期は頭部に病が出易いもので、よく鼻水が出て、鼻が塞がることがあります。鼻血もみたりします。なぜかというと、冬場養生が悪く激しい運動などして本来ならからだのうちに温存すべきであるはずのエネルギーを乱してしまうと春になってこれらの症状が出てくるので注意しましょうとおしえています。

また、冬場に暖房のきいた部屋のなかで、冷たいものの飲みすぎや食べ過ぎなど不摂生して腸胃に負担をかけすぎたりしますとからだの抵抗力が衰え、からだの内に溜め込んでいたエネルギーがこれまた足りなくなって、春になり活動を始めようとしてもエネルギーが充分発散されず皮膚や鼻や目に溜まり花粉症などになるといわれています。

普段からアレルギー性鼻炎で困っている人も結局は、からだに合わないような飲みすぎ、食べ過ぎなど飲食の不摂生があることがおおいようです。

花粉ばかり悪者にされては花粉がかわいそうかも!

漢方医学では、「鼻は肺の候なり」として肺との関係が深いことも言っています。

この肺や脾(腸胃などの消化機能とみてよい)の不調があると、からだを外部から護るはたらきが落ちて、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、そして頭痛などへと症状がすすんでいくことになるようです。

鍼灸では、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状を軽減することとともに、肺、脾の弱りを助けて外部からの浸入に対して護りの強いからだにしてやることを重要視することとなります。

 花粉症に効くツボ

花粉症ツボ 花粉が飛散するといわれる時期になると職場や学校で困るしとても苦しいから少しでも楽になりたいと抗アレルギー剤やステロイド外用剤など用いているかたがおおいようです。この薬を飲んでいれば「花粉症が治る!」とお思いのかたもなかにはい らっしゃるようです。

花粉症にはこのツボを押すとよい!と春先になるとときどき雑誌や新聞などで見かます。鍼灸医学では基本的には花粉症になるようなからだ全体の状態を治してやらなければいけないと考えるのですがなかなか皆さんそうもいいかないようです。

そこでとりあえずということになります。

花粉症の患者さんはたいていの場合鼻や目の周りそして顔面に熱が籠っているものです。見ますと赤みがかっていていかにも苦しそうです。鍼灸術では熱が発生する原因に対し処置することも重要ですが患者さんを苦しめているこの熱を直接とってやることもとても大事なことになります。専門的な話になりますが鍼の手技に「瀉法」と「補法」というのがありこの場合は鍼では瀉法を使いこの熱をとりのぞきます。

指圧つぎにご自身の指などで行うときですが、ツボを強めに押したり強く揉むと鍼の「瀉法」に近い作用が働きます。押せばよい揉めばよいのではなくそのやり方が難しいのですがそれはともかく鍼のようにはいかなくても少しは症状が楽になることでしょう。顔にアザをつくらない程度に試してみてはいかがでしょう(皮膚の弱い方などは十分注意してください)。

大事なことはふだんからの食べ過ぎ飲み過ぎなどの不養生をしないことで、たいていの場合胃腸に関係するところの余計な熱として症状を発することがおおい(まちがってもこれは熱だから冷たいものを飲めばよいということではないです)ので胃腸をすこし休ませてあげるとかなり楽になるはずです。 甘いもの脂っこいもの食べすぎ飲みすぎ簡単なようで実行するのは案外難しい?ことかも知れませんが。

【花粉症のツボ】------------------------------

花粉症に効くツボの図 ※図中のツボをやや強めに指圧するように揉む。温灸なども使えますがこれはすこし熱いくらいにしなければなりませんので顔面そして頭髪部にはしないほうがよいかとおもいます。合谷であれば比較的お灸しやすいでしょう。くれぐれも無理して水泡をつくったりやけどのないように自己責任でお願いします。

1.百会…両耳と頭の正中線が交わるところ。すこしへこんで圧痛があったりする。

2.しん会…百会と前頭部の頭髪のはえ際を結ぶ正中線上でやや真ん中より前にある。このあたりの圧痛やぷかぷかした凝りなどの反応を見つける(やや前にある上星というツボのあたりまで前後に探っていちばん効きそうに感じるところをとるとよい)。

3.印堂…左右の眉毛の間。

4.迎香…両鼻翼外へ指を添えて押すと圧痛があることが多い。圧して鼻づまりが楽になるところをとる。鍼施術ではほとんどの場合即効ある場所である。強く押しすぎてアザができないようにご注意。

5.合谷…手の甲で親指と人差し指の付け根の間やや人差し指寄り。圧痛があることが多い。鼻や瞼、顔面に熱があるものによく使われる。

追記:すべてつよく押すということではありません。花粉症でなく疲れやすい方の慢性的な鼻づまりがあるものなどには補法を使うこともよくあります)