食べてすぐ寝ると牛になる?

子供のころ食べてすぐ横になると牛になると叱られたものです。
これは単に行儀が悪いというだけではなく何か意味があるのだと思い考えてみます。

昔は農家にはどこの家にも牛がいました。
牛は座り込んでいつも口をもぐもぐさせているのを覚えています。
反芻をおこなっているのです。胃が4つもあるといいます。

ところで

貝原益軒の養生訓にこんな節があります。

…朝夕の食後に久しく安座すべからず。必ずねぶり臥すべからず。久しく座し、ねぶり臥せば、気ふさがりて病となり、久しきを積めば命みじかし。食後に毎度歩行する事、三百歩すべし。おりおり五六町歩行するは尤もよし。

と、食後に横になったりじっと座り込んでいることを戒めています。

気の巡りがわるくなり食べ物を消化吸収する作用がおちて病となり命が短くなるとまで言っています。また、脾の臓の支配する四肢を動かせることが逆に消化を助ける事にもなるのかもしれません。

こんなことを経験的に知っていた昔の人は牛のように横になってもぐもぐしていることに重ね合わせて「食べてすぐ寝ると牛になる」といったのでしょうか。

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