鍼技術の稽古

鍼医への入門

・・・隣齊先生に入門し、3ヶ月は座敷に入れられず、座敷の廊下に座して、掌による舟揉み、腕による・・・稽古に1年半、後、管弾き、管捌き、片手取りを3年、綿枕えの刺鍼が3ヶ月、終わって銅人形へ十四経絡の経絡線を引き、大体の練習が終わり、座敷に入室を許されるのであったという。要は稽古である。術を練る・・・

昔の弟子入り、簡単には入門を許されなかったようです。

-柳谷素霊著「鍼灸医術の門」より-

そして 硬物通し 浮物通し 生物通し その他

昔はこんな信じられない稽古をしたと伝えられています。

⑴ 硬物通し 初めに桐、杉、樫の木の順に鍼をやわらかいものから捻り刺しついには碁盤そして火鉢さえ刺し通したといわれます。

⑵ 浮物通し 盤中に水を満たし果物を浮かべてこの水をこぼさないように、また果物を沈めないように刺す訓練であったようです。

⑶ 生物通し これは犬、猫に刺すもので「睡猫に刺して覚醒せざる」を上手としました。

その他障子にとまった蠅を反対側からそっと刺し気づかれず抜いた後ハエが飛び去るということも
行ったとされています。

ちょっと信じられないものもあるのですがそれだけ昔の人は真剣に慎重に鍼の技術の稽古をしたのでしょう。

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