腹で鍼をする

管鍼術から捻鍼術へ

鍼灸を始めたころは刺鍼練習をたくさんしました。管鍼術から始めるものですから鍼管をあれこれ換えてみたりあの名人はこんな鍼管を使っているとか聞くと其れをまねたりもしました。既成の鍼管はやたら鍼管から出る鍼の長さが長すぎこれではとても荒っぽい治療になるんではないかと気になったものです。自分流に作り替えたものが今でも保管庫にたくさんあり懐かしいです。

そのうち捻鍼術を練習することになりそれらもあまり使わなくなってしまいました。衛生上の問題からディスポーザブル鍼が主流になり現在はプラ鍼管を使うことが多くなりましたが銀鍼による捻鍼術は捨てられません。

鍼は手でなく腹でする

捻鍼術では押し手、刺し手ともひじょうに繊細さを要求されるものです。それは指下にかすかに感じる氣の去来を見逃さないためでそのうえ刺鍼体勢も重要な要素となります。「沈肩墜肘」という言葉あるようですが肩の力を抜き肘にも力が入らない、そして下腹丹田に重心を置く。理想的には体のどこにも力みがなく楽な姿勢で鍼を刺す、どちらかといえば「腹で鍼をする」というほうが適切かもしれません。これができますと術者が疲れることが少なくなり被施術者ともゆったりと気分よく施術をおこなうことができるようになります。ただこれが安定してできるようになるのはいつまでたっても難しいことなのですが…。

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