脈診伝統古典鍼灸術 仁木鍼灸院


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 なかなか治らない痛みのこと

「毎日通院しているのになかなか痛みがとれないのであちこち通ってみましたがよくなりません....、最近は痛み止めもあまり効かなく困っています....。」憔悴したようにこんな訴えをされる方をみかけます。夜間に痛む人

なにか重だるい痛みがする、また就寝して夜中頃になるとけだるいようななんともいえない痛みが出てきて寝られない、辛いので起きてさすってみると少しは楽になる。つぎの朝動き出しはちょっとしんどいのだが動き出すと楽になるので動いてしまう。動きすぎるとその夜はまたつらい痛みに苦しめられる。夜間の安静時痛の辛さから解放されたいのでまた熱心頻回に通院治療する。治療するとそのあとしばらくは痛みが楽になる。だがますます夜間の痛みだるさ重さは増すばかりでどうしようもない。

このような患者さんをみてみますとその患部は力なくつやなく冷たく衣服の上から触れても生気が無くペタンとして温かみがありません。それに元気もありません。またじっとりと汗が出てなんとなく蒸し暑い感じがするというかたもいたりします。なんとなくムカムカした吐き気のようなものをかんじたりするひともいます。これは過剰な治療刺激で本来持っている患部やからだ全体の治癒力が損なわれてしまったのが原因となっているのかも知れません。痛みの部位は両方の肩や肩甲骨のまわり、また腰、下肢、なかには入院中発症した顔面の痛みで医療も効なく困っていた方もありました。特徴的なのはほとんどのかたが痛み止めがあまり効かないと仰います。

熱心に通院しているのになぜよくならないのかとみなさんおっしゃいますが不思議なことに通院を休んだり回数を減らす、かけもち通院治療を止めると症状がすこし楽になるということがあるのです。これも選択肢のひとつであるということです。ふつう治らなければあれこれと沢山な治療をしたらよいと考えるかと思いますし治す側もそう思っていることが往々にしてあるかもわかりません。患者さんが熱心に来てくれればありがたいものですからそこにも「落とし穴」があるかも知れません。

「治るのは治る力を持っているから治る!のです。治る力がなくなれば治らない」、と当たり前のことなのですがいかにこのことを現代人は知らないことでしょうか。

このような状態になると単に痛みを抑えるだけのやりかたや薬で胃腸を荒らしたりすると「治る力」をよけい弱らせてしまうのです。それでますます治らなくなる、治療をするの繰り返しに陥ってしまうこととなります。

それでは漢方医学的鍼灸術ではどうするか?ということになるのですが、西洋医学的考えで痛み止めの効果だけを狙って治る力のことを考えないのでなく、患部、そして一緒に体全体の治癒力を高めるような方法をとります。この回復力を高める方法があるのが本来の鍼灸術の醍醐味かもしれません。ただそのテクニックは経験と熟練を要しなかなか施すのは難しいものですが技術内容はともかく「力なく弱り切ったものに生気を与え治る力を増してあげる」このことがいちばん大事なことなのです。

慢性化した頑固な痛みのなかにはこんな現実もたくさんあるということも参考にしていただきたいと思います。


2015/11/15

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